多摩けいざい
2018年1月25日
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今回の「多摩のうごきを知る」では、国分寺駅北口の再開発と多摩地域のマンション開発の動向について取り上げました。 駅前タワーマンションの建設は、市街地の中心部に人口の厚みを生み出し、まちに消費需要をもたらします。 さらに駅前交通広場や道路の整備により、周辺商業への波及効果も期待されます。再開発事業全体の完成に向けて、 市民や事業者の再開発に対する期待感は、今後さらに高まっていくと思われます。
多摩地域のマンション需要については、2025年にピークを迎えることが想定される中、今後リノベーションや建て替え、除却の必要性が出てくると考えられます。 増加が見込まれる高齢居住者のニーズに応えるようなマンションの建設・リノベーションは、新たなビジネスチャンスを生み出すと思われます。 しかしながら、その一方でマンションの建て替えなどには住民の合意形成が難しいことや、物件の立地条件や容積率条件などによる制約など課題が多く存在します。 駅前などの利便性の高い地域の高度土地利用を促進しながらも、同時にマンションストックを適切にコントロールしていかなければ、 まちの景観や治安、経済などに影響が及ぶことにつながりかねず、難しい舵取りを迫られているといえるでしょう。
現在のところ、かろうじて人口増加局面にある多摩地域ですが、人口減少はすぐそこまで迫ってきています。 そのような環境下でも、住む場所として選ばれ続ける地域となるためには、良質な住環境だけではなく、地域の魅力の向上が不可欠です。 国分寺駅北口の再開発は、それ自体が非常に大きなインパクトを持つ事業ですが、これをきっかけとして、まちの魅力をさらに高めていくことがより重要になります。 そのためには、商業の活性化や、企業・大学との連携を積極的に図っていくことなども必要でしょう。 将来に向けて、今、国分寺のまちは大きな変化を遂げようとしています。
(中西 英一郎)
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