多摩けいざい

特集 多摩のうごきを知る

サステナブル経営に取り組む中小企業

2026年10月26日

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廃食油に新たな価値を生み出し、「循環型社会」を目指す/𠮷岡製油有限会社


工場の様子、少数精鋭で工場を稼働している

 埼玉県入間市にある𠮷岡製油有限会社は、動物性油脂(ラード)の製造販売と廃食油リサイクルの、主に2つの事業を担っている。現在、従業員数は43名。3か所に拠点を構え、埼玉県西部地区から東京都の多摩地区を中心に関東地域一帯を回収エリアとしている。

 同社の大きな柱となっている廃食油のリサイクル事業では、飲食店やスーパー、コンビニなどから使用済みの食用油を回収し、工場内で油を精製、その後要望に応じて社内で加工をしている。1日の回収量は約20トン。回収された廃食油の約5割は燃料用として再利用され、主に、火力発電用燃料、SAF(サフ)と呼ばれる航空機燃料、軽油代替品であるバイオディーゼル燃料(BDF)の3種類に資源化されている。その他、飼料用や石鹸などにも再生され、飼料用の再生油は家畜の餌の原料として飼料メーカーに卸している。

 「“未来に負の遺産を残さない”という経営理念をもとに、リサイクルできるものは全てリサイクルしていきたい」と話す代表取締役の𠮷岡和広(よしおかかずひろ)氏。

 また再生油は諸外国へ運ぶより、近隣地域で使用した方がCO₂排出量が削減される。そのため同社では、近隣の市と連携協定を結び、市から回収した廃食油をBDFへ再生し、公用車の燃料として市に戻す取組みを行っている。この先も廃食油の地産地消につながる事業に力を入れていきたいという。

𠮷岡製油有限会社の𠮷岡社長

 廃食油に様々な可能性を見出す同社は、2025年に50周年を迎え、社内においても変化が起きている。まず、1日に30~40件ほど訪問する回収ドライバーの負担を減らすべく、ITシステムを導入。データによって業務を管理するため、回収漏れは減り、帰社後の伝票処理も減ったという。導入する前と比べて作業時間を1時間削減したこのシステムは、従業員からのボトムアップによる意見を採用し開発された。また他にも従業員と一緒につくり上げる活動として、SNSでの発信にも力を入れており、社内の様子を動画でInstagramやYouTubeに投稿している。地域イベントにも積極的に参加しており、地元の祭りや環境フェアなどで同社の取組みを広めるとともに、地域住民との交流も図っている。

 「私たちの仕事が止まってしまうと、油の回収が滞り、廃食油の不法投棄が増えるほか、お客さんのところには使用済み油が溢れてしまう。飲食店などでは食事の提供にも影響が出て、経済活動に支障をきたす恐れがある。自社だけではなく、同業者も巻き込み、業界全体で循環型社会をつくり、地球環境を守っていきたい」と話す𠮷岡氏。この先も同社の挑戦が続いていく。

企業の想いや未来を軸に


 サステナブル経営は環境保全・社会問題の改善だけでなく、新しい価値の創出や従業員の更なるやりがいなど、企業に対しても様々な影響を与えてくれる。最初から大きな社会課題に取り組まずとも、企業が大事にしている想いや会社の未来を見据えて、まずはできるところから実践を始めることが、持続可能な社会への糸口になるのではないだろうか。

セイワ株式会社
東京都府中市小柳町2-19-1

株式会社地盤調査事務所
東京都日野市万願寺3-50-8

𠮷岡製油有限会社
埼玉県入間市二本木1409-1

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