多摩けいざい
特集 多摩のうごきを知る
地域に根ざした新商品開発
2026年7月27日
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「先駆者」として日本のソースを東村山から世界へ/株式会社ポールスタア
次に紹介する株式会社ポールスタアは、1997年設立の調味料メーカーだ。その原点は、1850年に現在の東村山市で創業した「桜井醤油店」にある。戦後、時代の流れとともにスーパーマーケットが普及し、桜井醤油店は醤油醸造での経営が厳しくなっていった。そんな変化を間近で見て育ったのが、代表取締役である桜井憲一氏だ。桜井氏は家業ではなく味噌製造会社へ入社。営業担当としてさまざまなスーパーを回り、営業のスキルと販路づくりを学んでいった。その経験を経て、30歳で家業とは別会社の株式会社ポールスタアを設立した。
日替わりで1日約10種類の調味料を工場で製造している
同社の商品第1号は、家業の醤油を使った「焼肉のたれ」だった。今日においても創業当初から変わらない味を保ち、根強い人気商品となっている。その後「顧客の要望は絶対に断らない」という信念のもと、商品開発が進められ、ドレッシングやめんつゆなどさまざまな新商品を生み出していった。創業以来、同社では変わらない開発スタイルを貫き、今では業務用も含め200種類もの商品を取り扱っている。また添加物に配慮した調味料や、有名な飲食店やスーパーなどとコラボした商品開発、OEM商品の提供など、柔軟性とアイテムの多さが同社の強みとなっている。
数ある商品の中でも「東村山黒焼そばソース」を使った黒焼そばは、東村山市のご当地グルメとなっている。今でこそ地域の人から愛される商品となったが、今から20年ほど前、もともと販売していた一般的なソースは知名度がなく、全く売れなかったという。そこで桜井氏は、ソースを一番使う料理として、焼きそばのソースを作ることにした。通常の焼きそばソースと差別化を図るため、従業員である元フレンチのシェフとともに、イカ墨と鹿児島県の黒酒を使用した旨味の強いソースを開発した。こうして誕生した黒焼そばを、桜井氏はお祭りなどの地域イベントに出店し、次第に地域の定番メニューとなっていった。
多彩なアイデアで数多くの商品を生み出してきた桜井社長
現在同社では、「黒焼そば食べ歩きキャンペーン」というイベントを主催し、イベントには市内の約50店舗の飲食店が参加している。今年は7月17日(金)~9月6日(日)まで開催しており、期間中は参加店舗で黒焼そばソースを使ったオリジナルメニューを楽しむことができる。またハロウィンイベントや市内の小学校を対象とした工場見学の実施、学校給食へのソース提供など、地域とのつながりを大切にしている。さらに、東村山市の会社として、市内のどこでもポールスタアの商品が買えるように、新商品を開発するごとに営業活動に力を入れ、販路拡大に努めてきたという。地域に向けた取り組みを地道に継続し続けたことにより、親しみが生まれ地域から応援される会社へと成長していった。約80名いる従業員の多くは市内在住者だ。
新たな取り組みとして、同社では現在、大手メーカーと張り合えるようなポールスタアを代表するソースの開発を進めている。これまで桜井氏が自ら研究し作り上げてきた数多くの商品の集大成として、他社にはない味となるよう力を入れている。
本社に隣接する工場直売所では限定商品なども取り揃える
桜井氏は「これからの夢は、黒焼そばソースとともに開発中の新ソースを日本中のスーパーの店頭に並べること」と話す。同社の商品の主な販売先は関東圏内だが、市内から全国へと拡大していき、いずれは全国どこでも購入できるようにしていきたいという。また、創業当初から“健康で楽しい食生活”を軸に、添加物に配慮した商品づくりを行ってきた同社は、無添加商品の拡大にも注力している。中でもオリジナルブランド「桜井花筵堂」では、こだわりの無添加調味料を4種類販売している。さらに、「おいしく安全な調味料で世界中の人を健康にする」をスローガンに掲げ、ポールスタアの調味料を世界へ広げようと、海外への販路拡大も目指している。
ポールスタアという社名は、「先駆者」という意味を持つ北極星から付けられた。北極星のように、他にはない新たな調味料を作るとともに、地域を盛り上げ、そして地域と共に発展する会社となるよう、この先も道を切り拓いていく。
地域と共に新しいものを生み出していく
今回紹介した2社に共通していたのは、地域とつながりを持ち続けながら、まずは何事も挑戦し、作り続ける姿勢であった。そしてどちらも地元地域に寄り添い、まちの活性化と共に自社を発展させてきた。地域資源に目を向け、他にはないものを作る探求心こそが、新たな商品を生み出す第一歩になるのではないだろうか。
有限会社澤井織物工場
東京都八王子市高月町1181
株式会社ポールスタア
東京都東村山市久米川町3-28-2