多摩けいざい

特集 多摩のうごきを知る

外国人材と共に働く

2026年1月26日

ページ 2/3

雇用と教育の両輪で外国人を支援/公益財団法人アジア・アフリカ文化財団


 次に紹介する三鷹市の公益財団法人アジア・アフリカ文化財団は、アジア・アフリカ諸国の人々との共生・協働の促進のため、1957年に設立された公益法人だ。アジア・アフリカ図書館や専門学校であるアジア・アフリカ語学院の運営を通じて、国際交流・国際協力活動を推進している。また同法人では外国人技能実習制度に基づき、実習生の選抜から帰国まで、受入れ企業をサポートする監理業務を行なっている。

図書館や専門学校が併設され、留学生の寮も敷地内に備える

 監理業務では定期的に受入れ企業を訪問し、実際の就労現場を確認する。実習生に対する聞き取りでは、人権が保護され、労働基準法に則った就労が行われているか、実習が計画通りに進んでいるかなどを調査し報告している。現在は食品製造関係の職種を軸に取り扱っており、およそ300名の実習生と受入れ企業の間に入りサポートをしている。実習生の国籍は中国、ベトナム、ミャンマーが多く、近年インドネシアも増えているという。

 外国人材の就労について理事長の木村実季きむらみき氏は、「実習生の雇用には賃金に加えて監理費や宿舎費用などのコストがかかり、決して“安価な労働力”ではない。それでも現場では優秀な労働者として高く評価され、日本社会に定着してきた」と話す。

公益財団法人アジア・アフリカ文化財団の木村理事長

 ただ、国際貢献・協力を目的として多くの外国人労働者を受け入れてきた外国人技能実習制度は、現在制度の大きな転換期にある。日本国内の労働力が減少し、人材不足が進む中で、制度自体の見直しが進められた結果、2027年4月からは労働力の育成と確保を目的とする「育成就労制度」が始まることが決まっている。制度が変わっても、生活習慣や文化の違いから、外国人労働者に日本の社会に適応するトレーニングやそのためのサポートが必要なことに変わりはなく、間に入る支援機関が担う役割は引き続き大きい。

 「今後は、日本の企業がいかにアジアから人材を獲得し、自社に合った受入れの形を構築していくのかが重要な課題となる。当法人も多摩地域における人材供給の拠点となり、その検討と実践をサポートするパートナーとしてお役に立てるようになっていきたい」と木村氏。近年は三鷹市と連携し、運営する専門学校の卒業生を市内の介護施設の採用へつなげるプログラムなども実施している。この先は地域との結びつきも強めながら、これまで培ってきたノウハウを活かし、日本社会が目指す共生社会の実現に貢献することを役割として事業を展開していく考えだ。

『多摩けいざい』トップへ戻る