多摩けいざい

特集 多摩のうごきを知る

外国人材と共に働く

2026年1月26日

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日本の外国人労働者数は年々増加の一途をたどっており、建設業、製造業、サービス業など幅広い分野で外国人材の活用が進んでいる。必要な人材を確保し、事業を継続するためには、多様な働き手を前提とした組織づくりが不可欠になりつつある。他方で、受入れにあたっては言語や文化、生活習慣の違いから、教育やコミュニケーションへの負担が大きいことや、企業側の体制とのミスマッチが起き人材が定着しないなどの課題も生じている。そこで今回の特集では、多摩地域で先進的に外国人材の受入れ・育成・定着に取り組む企業と機関を紹介する。

徹底した採用と丁寧なフォローで人材定着/株式会社菅原技建


 稲城市の型枠工事業・株式会社菅原技建では、23名いる従業員のうち13名が外国人材である。およそ8年前から受入れを始め、ベトナムとインドネシアを中心にこれまで累計20名ほどが在籍してきた。

外国人従業員も同社の重要な戦力となっている

 きっかけは、従来のように求人を出しても人が集まらなくなったことや、業界内で外国人材の活用が広がり始め、建設現場でも他社の外国人技能実習生が見受けられるようになったことだった。

 業界団体から紹介してもらった機関を通じて、実習生の受入れを始めた同社。今では、毎年のように新たな実習生を採用し、社内全体で育成やサポートを行っている。採用にあたっては、代表取締役の菅原太すがわらふとし氏らが必ず現地まで出向き、候補者の面接をするほか、業務で使う計算式の試験や、材木を扱う技能テストを実施するなど、1日がかりでの採用試験を行う。「採用を始めた当初から、直接顔を合わせて話を聞き選考しているので、ミスマッチはほとんどない」と菅原氏。

株式会社菅原技建の菅原社長

 入社後1~2か月は社内で研修を行い、材料名や作業工程の習得を日本語で行いながら、徐々に現場に送り出している。実習生が来日すると、まず直面するのが言語の壁や、文化・生活習慣の違いによる戸惑いやストレスだ。初期の頃には菅原氏自らが仕事の合間に日本語の読み書きを教えたり、食品や日用品の買い物に付き合うなどのフォローをしてきた。また、実習生がホームシックになれば親代わりのような存在となって話を聞くなど、目が行き届く人数だからこそできる細やかな視点で、生活全般のサポートを行ってきた。

 社内に外国人材が増えた現在では、先輩実習生が新たに来日した実習生を支える形が定着しているという。ほかにも社内でのバーベキューや飲み会など交流の機会を定期的に設け、アットホームな雰囲気の中で従業員同士のコミュニケーションを促進している。

 今では外国人材は同社に欠かせない存在となり、最長5年の技能実習の期限が終わった後も従業員として同社に残る実習生が多い。さらに、在留期間が無期限で家族も帯同可能となる特定技能の資格を得て、リーダーとして現場で活躍する人材も増えている。

 ただ、特定技能の資格を得ると業務範囲が広がる一方で、転職も可能となる。同社でも優秀な人材を定着させるために、働きやすい職場づくりにますます力を入れていく必要性を感じている。

 菅原氏は、「一番大事なのはお互いを尊重すること。業務や日本語の習得度合い、性格まで、色々な人がいるのが当たり前なので、なるべく先入観を持たずに、日本人と変わらない接し方をするようにしている」と話す。

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