多摩けいざい

お客さま景気動向インタビュー

有限会社バーゼル洋菓子店

代表取締役 渡辺純氏

2021年4月26日

ページ 2/2

新店舗を開設する予定はありますか?


 東京都の認可を受けたまちづくりプロジェクトとして、新たに建設されるショッピングモール内に新規出店する予定です。その店舗では、公共的な役割としての災害時の炊き出しや、子ども食堂としての利用も想定しており、社会貢献の要素が強い店舗になりそうです。他にも、ただ商品を販売するだけではなく、地域の人と人を繋ぐような場所になる店舗を作る取組みも進めています。

 また、同じモール内に入るスーパーマーケットの中には、当店のバーチャルショーケースを導入しようと思っています。お客様がスーパーマーケット内に設置されたディスプレイをタッチしてケーキを注文すると、指定した時間にケーキが自宅に配達される仕組みを考えています。朝作って店頭のショーケースに並べられたケーキは、売上のピークである夕方までの間に、当然ながら鮮度が落ちていきます。バーチャルショーケースであれば、注文を受けてからケーキを作ることで、ロスの削減にも繋がりますし、作り立てのケーキの美味しさをより多くの方に知ってもらうことができます。バーチャルショーケースの仕組みを確立することで、様々な場所への設置が可能になると思うのでぜひ実現させたいです。

ケーキの他に焼き菓子やギフトも充実した品揃えの店内

地域で愛され続けるお店を生み出す秘訣は何ですか?


 私は新しい店を作ることが好きで、店がオープンしたときにお客様がそこに集まる瞬間を見ることが、何よりの喜びです。これまで20年以上毎年ヨーロッパの田舎町を旅行し、地元で愛される名店を回っているのですが、そこで見る光景は私の店舗づくりの原動力になっています。例えば、ガイドブックには載らないような、どこか野暮ったいけれども地域で愛されていて、いつもお客さんがいる地元の小さな人気店や、そこで働く、ぶっきらぼうな接客であっても店に来るお客さんのことを一番分かっているベテラン従業員の姿からは、愛され続ける地域の一番店とは何か、ということを感じ取ることができます。私がこれまで作ってきた店舗は、アイデアを自分の中で何年も寝かせ、熟慮したのちに形にしてきました。過去には、パティシエから秤を取り上げて“レシピのない店”を作ったこともあります。過去の店舗づくりで培ったことは、確実に現在の経営に活きています。

 私は、何かを決断する際の決意と判断の割合は、決意のウエイトが大きくないと上手く行かないと思っています。それは店舗づくりにおいてもいえることであり、決意、つまり自分の意思を基に、やりたいことを沢山盛り込むことが成功の秘訣であると考えています。当社では、店舗の多くが駅前よりも駅から離れた場所や住宅地の中などにあり、郊外型店舗づくりを得意としています。駅前に店舗を作るということは、駅を行き交い流動する人々のニーズを捉え、そのニーズに沿った手段を考えた上で店づくりを行う必要があります。 一方、郊外型店舗では、駅前店舗と比べると店づくりの自由度が大きく、こちらがやりたいことをたくさん盛り込むことができるので、郊外型店舗に勝機を見出しています。

「TAKAO COFFEE」の外観と店内

今後の事業展開について教えてください。


 今後も、創業100年を目指し、現在掲げている「愛ある味と愛あるひとときの追求」という理念をそのままに、店舗数をさらに増やしていきたいと思っています。八王子や多摩地域に魅力を感じているので、都心への出店は今のところ考えておらず、地域から愛される店を今後も作り続けていきたいです。アイデアは尽きることなく生まれてくるので、自分の感覚が鈍る前にそれを具現化する必要があると感じています。そして、会社が今後も永きに渡り続いていくために、後の世代に価値あるものを残していきたいです。


(インタビュー日時: 2021年3月5日)

会社概要

有限会社バーゼル洋菓子店
代表取締役: 渡辺 純
本社所在地: 東京都八王子市高倉町64-7
業種: 洋菓子製造、販売、飲食業

『多摩けいざい』トップへ戻る