多摩けいざい

特集 多摩のうごきを知る

多摩地域における民泊の動向

2018年10月25日

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 今回の特集では、「民泊」に焦点を当て、多摩地域の新しい経済の動きを探っていきます。多くの人にとって、まだ謎に包まれた部分が多い民泊。多摩地域に一体どのような民泊ニーズが眠っているのでしょうか。また、既に民泊に取り組んでいる事業者は、どのような事業を行っているのでしょうか。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目前にますます期待が高まっている民泊について、様々なヒントをお届けします。

多摩地域の民泊の状況


 2018年6月15日、いわゆる「民泊新法」が施行され、届出を行うことにより合法的に民泊を行うことが可能となりました。この法律では、民泊事業者に年間180日を超える宿泊を制限しており、既存の旅館やホテル等の宿泊業者の利益を守りながら、同時に増加する外国人旅行者の宿泊需要に対応し、さらには地域にある空き家・空き部屋などの有効活用を図ることをねらいとしています。

 この「180日ルール」の存在により、現在の民泊の宿泊料の相場では、空き家を通常の賃貸物件として貸し出したときの収益よりも、民泊によって貸し出したときの収益の方がやや下回るケースが多くなると考えられます(ただし、家主居住型・不在型の別や諸条件によって異なります)。また、同法律は民泊専用の住宅の新設を禁止しており、既存の空き家・空き部屋を有効活用する視点が求められています。

 下の図は、埼玉県、東京都、神奈川県の届出民泊事業者を地図上にプロットしたものです。これを見ると、東京23区が非常に多く、その他のエリアでは、比較的まばらな分布になっています。行政機関が公表している民泊事業者一覧によると、9月14日現在、多摩地域で民泊の届出をした事業者は、141件となっており、その多くが既に民泊の営業をしています。

 東京都産業労働局によると、多摩地域の届出事業者のうち、多くは家主自身がおもてなしや対応を行っており、管理を管理会社に任せる家主不在型は相対的に少ない傾向があるといいます。

図 埼玉県、東京都、神奈川県の民泊事業者の分布

(出典)各自治体の公表する資料を基に、たましん地域経済研究所作成。なお目黒区はホームページにて公表されていないため掲載していない。

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