多摩けいざい

お客さま景気動向インタビュー

株式会社武蔵製菓

代表取締役 茶畑ちゃばた哲夫てつお

2024年4月25日

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和菓子の製造を行う立川市の株式会社武蔵製菓は、代表取締役の茶畑哲夫氏が1981年に瑞穂町で創業した。その後群馬県に自社工場を建設し、関東近郊で数多くの大手スーパーに和菓子を卸すなど、着実に事業を拡大してきた。昨年は群馬の工場直売店を「すいーつパークむさし」としてリニューアルオープンし、好評を得ている。

高付加価値商品で利益率を向上


 当社の売上げはスーパーへの卸売りが中心です。創業当初から卸し始め、現在では首都圏を中心に関東から東北まで、東日本の各地のスーパーで当社の和菓子が販売されています。地方のスーパーから声を掛けてもらうことも増えており、いずれは西日本にも販売先を拡大していきたいと考えています。

 コロナ禍では家で過ごす時間が増えたことで、売上げが例年より増加傾向にありました。しかし、和菓子は単価が低く、製造数を増やしても大幅な利益増加は見込めません。加えて原材料は年々高騰しており、価格転嫁もやむを得ない状況です。そこで近年は、通常品と差別化した、原材料にこだわり味をさらに追求した高級路線の市場を開拓するなど、付加価値を高めた商品を販売し、徐々に利益率を向上させる方向へのシフトチェンジを目指しています。とはいえ、スーパーに卸している商品も、美味しさの面では決して高級路線のものに引けをとらないと自負しています。

代表取締役の茶畑氏

直売店を改装して新たな挑戦へ


 商品は全て群馬にある2つの工場で製造しており、生産体制はフル稼働の状態です。その分人手を増やしてはいますが、人材を集めるのは簡単ではありません。特に工場のスタッフが不足しています。現在は工場で働くスタッフのおよそ3分の1を外国人が占めており、貴重な戦力となりつつあります。

 昨年リニューアルオープンした「すいーつパークむさし」では、イートインスペースを増設し工場直売店として和菓子を販売しているほか、洋風スイーツなどの限定品の導入や、和菓子を販売するグループ会社「銀座甘楽」を店内に出店するなど、新たな取組みを多数行っています。いずれは「すいーつパーク」をブランド化して、多店舗展開やECサイトでの販売も目指していきたいです。

群馬県高崎市の工場直売店「すいーつパークむさし」

健康志向で美味しい和菓子を追い求める


 近年は、健康志向の和菓子の開発を目指し試行錯誤を繰り返しています。病気などで食事に制限がある人に向けた商品は以前から製造しており、病院にも卸しています。今後は、高齢化社会の今だからこそ、健康や美容を新たなキーワードに、機能性をプラスした和菓子の開発にも力を入れていきたいです。

 会社を経営する上で、判断に迷ったときには、常識に則った選択ができているか、誇れる判断なのかを基準にして考えています。この先も自分自身が納得できる美味しい和菓子を作り続けていくために、実直に進んでいきたいです。


(インタビュー日時: 2024年3月8日)

会社概要

株式会社武蔵製菓
代 表 者: 茶畑 哲夫
本社所在地: 東京都立川市錦町3-5-23
業   種: 和菓子製造・卸売業

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