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多摩けいざい

お客さま景気動向インタビュー

株式会社ナイアード

2020年4月27日

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 自然素材で作った髪染め「ヘナ」や石鹸「ガスール」などを製造、販売している同社。 世界を飛び回って見つけた日本にない商品を先駆けて販売し、品質の良いものを長く販売するスタイルを築いてきた。 最近では、SNSなどインターネットを使った情報発信にも力を入れ、新たな販路拡大が図れている。


 
代表取締役 久保良之氏

―― 貴社の概要について教えてください。

 当社は1992年に創業した企業で、私は5代目の社長です。今の化粧品事業を築いたのは3代目の時で、それまでは全く違う事業を行っていました。
 3代目の社長が、業界で初めてシリアのオリーブ石鹸である「アレッポの石鹸」を販売したのが化粧品事業の始まりです。 その後は、歴代の社長が世界中を飛び回って、日本にない面白いものを見つけてきては、国内で製造・販売し、少しずつ従業員も増え、会社も大きくなっていきました。
 従業員は現在35名いますが、古参の社員が多いのが特徴です。 当社では、新卒ではなく、社員の人脈や口コミでの入社が多く、パートタイマーで入社した方が育児を終えてフルタイムの正社員になり、さらに、その社員の息子、娘さんが入社してきています。 そのため、一人ひとりが会社のことを知り尽くしており、自ら考えて仕事をしてくれることが当社の強みだと思っています。
 現在では、モロッコやネパールに現地工場を建設し、海外向けにも販売できるまでになりました。 ケミカルからオーガニックな商品を好む時代に変化していくにつれて、当社の商品が世の中に受け入れられるようになってきたのだと思います。


―― 社長就任の経緯を教えてください。

 私は創業時からのメンバーで、ずっとナンバー2の立場で仕事をしていました。 4代目の社長から社長就任の声がかかった時は、私がトップに立つのはどうかと思いましたが、一番古参の私より、いきなり若い世代にバトンを渡すのもどうかと思い、社長に就任しました。
 私の社長就任期間は、一定期間と決めています。社内の若い世代も育ってきましたし、次のステップに行くことは良いことだと思います。 ただし、私が後継者に自分の考えを押し付けて自分のコピーのようにするのは良くないと思っています。ある日突然社長にして「あとは頑張れよ」というのが理想です。 色々なものを変えていかないと新しいものは作れないので、後任の社長にはぜひ自分と違う考えを持ってもらいたいと思っています。


―― 商品の特徴を教えてください。

 現在、当社の売上の6割を占める主力商品の「ヘナ」は、世界各地で古くから髪染めとして使われてきたハーブが原材料です。 雑貨扱いのままでは効能など素材そのものの良さがうたえなかったため、当社が初めて化粧品に登録して販売しました。 もともと染めると赤くなる染料ですが、黒く染める技術を開発して特許を取得しています。 当社のヘナは、保存料等を一切使用していない100%植物で作られた商品です。素材そのものの良さを生かしたシンプルな状態で販売しています。
 自然素材を扱っているため、品質管理にもこだわりを持っています。 原材料の産出国で袋詰めすればコストの削減は図れますが、それではやはり色々なものが混ざってしまいます。 当社では、現地バイヤーと日本の工場の両方で異物混入を確認し、製品化しています。


同社のヘナシリーズ

―― 国内の動向についてはいかがでしょうか。

 昨年10月の消費税増税の影響を受け、当社の売上も微減しました。 現在は、新型コロナウィルス感染症の影響により、店頭への客足は遠のいていますが、インターネット販売は好調なため、おかげさまで国内販売は順調にきています。
 最近では、インターネットの普及によって消費者が商品を知る機会が増えたため、商品を購入する年齢層や販売先に変化が起きています。 今まで当社商品を取り扱っていなかった若者向けのオーガニックコスメ店や大手スーパーマーケットからもオファーがあり、販売が始まっています。 その背景には、ナチュラル志向が強いお客さまがインターネットで当社の商品を見つけては、各小売店にお問い合わせいただいていることが挙げられます。
 SNSなどのインターネットを使った情報発信の効果は、近年ひしひしと感じています。 以前は、部下がSNSを活用したマーケティング施策を持ってきても真面目に話を聞いていませんでした。 ただ昨年、当社の商品をネットで影響力のある方が動画の投稿を上げた直後に、売上が爆発的に伸びたことで考えを改めました。
 そのことをきっかけに、今ではWEBやSNSマーケティングの専門スタッフを2名配置しています。 WEBに掲載する写真や動画を撮影するために、現地工場のあるモロッコやネパールまで行きました。ネパールでは、ドローンを使った撮影までやっています。


同社のネパール農場

―― 海外の動向についてはいかがでしょうか。

 当社は、中国で販売事業を行っています。中国国内でも既存の商品を販売し続けているため、新鮮味がなくなり一時的に売上が落ちた時期はありました。 そのため、SNS等でオーガニック商品の情報発信を強化して、コンセプトの理解を進めました。 その結果、今では中国の方に当社の商品が受け入れられ、定番商品として順調に販売できています。
 先日参加したタイの商談会でも、現地バイヤーからの評価は高く、新興国でもオーガニック商品のニーズの高まりを感じています。 ヘナの主な産出国はインドですが、日本企業の品質の良い商品ということで、世界市場でも販売していけると思っています。


―― 今度の事業の方針について教えてください。

 今ある商品のクオリティを下げず、今後どうやって販売していくか考えています。品質の良いものを適正な価格で販売していれば消費者から支持が得られるでしょう。
 現在、ヘナの購入者はほぼ女性ですが、今後は、日本の男性にも販売していきたいですね。そうしたら、売上は単純に2倍になりますから。


(インタビュー日時: 2020年3月12日)

会社概要

株式会社ナイアード

代表取締役: 久保 良之

本社所在地: 東京都福生市武蔵野台2-34-9

業種: 化粧品製造業


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