多摩けいざい
お客さま景気動向インタビュー
三喜電機株式会社
代表取締役社長 三田喜孝氏
2025年10月27日
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八王子市の三喜電機株式会社は、ワンストップ受注による電子・電気機器の製造を手がけている。設計から板金、組立、試験、出荷まで、塗装とメッキを除くすべての工程を自社内で完結できる技術力を持ち、多くの顧客の期待に応えてきた。15年ほど前から業務効率化に注力し、作業マニュアル の電子化や自社製品の開発など、事業領域を広げている。
改善活動で業務効率化と品質向上へ
当社は受託生産を中心に、多様な電子・電気機器の製造を行っています。従業員数は現在83名。創業以来、「また三喜電機にお願いしたい」と思っていただける会社を目指し、社会やお客様への貢献を胸に、高品質かつスピーディーなものづくりを心がけてきました。
15年ほど前からは、工程の効率化や品質向上、不良品削減を目的に社内の改善活動に取り組んでいます。紙のマニュアルを電子化し、作業員が図面を読み解く時間を大幅に削減するシステムを自社で開発しました。さらに、何十種類もあるねじや部品を工程ごとに分けて並べ、電子マニュアルと連動させることで、次の工程に使う部品の入ったケースを点滅させるなど、部品を探す時間や作業員のヒューマンエラーなどを極力削減させるための改善に努めてきました。
こうした仕組みづくりは、社内の多能工化や新入社員、若手社員の業務習得にも役立っており、入社後すぐに即戦力として活躍している社員もいます。今では改善活動の専門部署を設置するまでになり、活動は社内に定着しています。
三田稔晃専務(左)と三田喜孝社長(右)
中小企業だからこそできること
こうした改善活動の背景には、当社の「迷ったらまずやってみる」という企業風土があります。まず実行し、うまくいかなければ次の道を探せばよいという考え方です。これは、身軽で柔軟に動ける中小企業ならではの強みだと考えています。
自社開発の電子マニュアルは、社内で高い効果があったことから、他社にも役立ててもらえるのではと、「ビジュアル先生PRO」という商品名で外部販売も始めました。同商品が工具メーカーとの連携に発展するなど、改善活動は単なる内部効率化に留まらず、新たな事業機会も生み出しています。
広々とした敷地を持つ本社工場。近隣には第2工場も構える
次世代へ会社をつなぐ
現在は私が代表を務め、将来的には専務の三田稔晃が4代目として事業を引き継ぐ予定です。製造業界は高齢化や技術革新の影響で、企業数の減少が予想されます。当社は半導体分野に限らず、新たな分野への挑戦で事業の柱を増やし、先を見据えた営業活動を続けています。
事業を持続的に成長させるには、お客様や地域、社会から信頼される会社であり続けることが不可欠です。同時に、従業員を大切に考え、長く働くことのできる職場づくりを進めていきたいと考えています。今後もネットワークを広げ、DXや働き方改革など新たな取組みを積極的に導入しながら、専務に良い形でバトンを渡せるよう、会社を成長させていきたいです。
(インタビュー日時: 2025年9月9日)
三喜電機株式会社
代 表 者: 三田 喜孝
本社所在地: 東京都八王子市椚田町1215
業 種: 電力制御装置等製造業